こんにちは。ジャカルタに来てから本の虫と化している、節約主婦ちぃこです。
テレビもネットもコロナコロナ、人にも会えないしで本がなかったら気が滅入っていたと思います。
そんな状況なので、私が旦那さんにリクエストした誕生日プレゼントは、バッグやアクセサリーではなくamazonギフト券。
昨年も同じくアマギフをリクエストしましたw
いつもは月980円で読み放題のKindle Unlimitedを利用していますが一旦解約して、アマギフで読みたかった本を読み漁っている日々です(・∀・)
そして、今月のわくわくリストに【話題の本を読む】という項目を書いたので、その中でも特に話題の本についてレビューを書きたいと思います。
私自身の子供がいない現状や不妊の話など一部デリケートな内容が含まれているので、苦手な方はこの先読まないでくださいね(>人<;)
推し、燃ゆ/宇佐美りん著
今年の芥川賞受賞作。「推し」「炎上」という今どきの話題が純文学のテーマになっていること、著者が芥川賞歴代3番目に若い女子大生作家、デビューから2作目で受賞!ということで話題になっていますね。
私の学生時代の「推し作家」は綿矢りさだったのですが、読むきっかけになったのはやはり芥川賞を史上最年少で受賞!というニュースでした。
記者会見の様子をニュースで見て「こんなにかわいい小説家がいるのか!」という、完全にビジュアルで入ったクチです。←
金原ひとみの「蛇にピアス」も読んだのですが、当時の私には刺激が強すぎて「???」。大学生の時に再読してやっと内容を理解しましたw
当時の私のように今回のニュースで本を読むきっかけになった学生さんは多いのではと思いますが、逆に30代以上の方はちょっと敬遠するのでは。
33歳の私の第一印象も、「若者の考えや文化なんて、自分には分からない世界だな。」と思っていました。
でも読後はしばらく余韻に浸るほど共感できたんです。
具体的にどこに共感したのか、ポイントを紹介します!
共感ポイント:マイノリティの生きづらさ
本作の主人公あかりは「普通の子と少し違う」女の子です。
部屋の片付けができなかったり、物覚えが悪かったり、それは日常生活に支障をきたすレベル。
高校では勉強ができないので留年の危機、アルバイト先でも上手く仕事を回せなくて家族を含む周りの大人達があかりに手を焼いている様子が彼女の目線を通して描かれています。
それでも「なんとか生きている」のは「推し」がいるから。
「推し」と自分はどこか似ていると思うようになってから、あかりは彼の全てを解釈しようとします。
この「同世代の子と少し違う」という所に共感しました。
今、私の周りは出産ラッシュ。
自分も【結婚したら子供を作る】というのが当たり前の流れだと思っていたのですが、子供って簡単に授かれるわけではないのね… と、毎月リセットの度に思い知らされます。
それでも周りはどんどんママになっていくし、悲しいですが出産にはタイムリミットもある。頑張っても周りに追いつけないもどかしさ、不妊検査も異常なし、何が原因なのか分からない不安や苛立ちのようなものを感じます。
もちろん、「周りがそうだから自分も欲しい」という流行り物を欲しがる感覚ではないし、子供の事は夫婦で話し合って決めた事です。そうは言ってもトントン拍子にはいかなくて、周りからどんどん取り残されていく焦りや不安があるものです。
作中のあかりは漢字を覚えようと必死にノートに書き写してみたりするけど、結局覚えられない。
自分なりに頑張って周りに追いつこうとしているのに上手くいかない。
「努力しても自分ではどうしようもできない、努力が報われない」
この絶望的な状況・様子が痛いくらい伝わって来て、今の自分の心情と重なりました。
人と違っても良い、自分には自分のペースがある。
這いつくばりながら、これがあたしの生きる姿勢だと思う。二足歩行は向いてなかったみたいだし、当分はこれで生きようと思った。
(本文より引用)
この文を読むために本作を読んだと言っても過言ではないくらい、好きな部分です。
多様性の時代と言いますが、まだまだ偏見というものは至る所に存在します。
そんなことを書いている私も【日本の一般常識】で物事を考えがちです。
でも今いるインドネシアは日本と文化や考え方が違うし、インドネシアの人からしたら私は外国人なわけで。日本の常識を押し付けるのはいかがなものかと思います。(心の中でイラついてますがw)
海外あるあるだと思いますが業者が時間通りに来ないのは当たり前だし、会計でお金をもたもた出してると
店員さんにめっちゃイラつかれるし、勤務中関係なく店員さんが売り場でお喋りして通路を塞ぐし、暇な時は堂々とスマホを触っている始末…笑
「日本ならあり得ない光景」がわんさかですw
書店員だった頃は勤務中は私用のスマホ禁止、お客様が選んでいる近くの書棚では作業しない、お客様へは常に笑顔で対応!と教育されました…(*´Д`*)
インドネシアも笑顔で対応してくれる店員さんは多いですが、ぴったりついてくるからそれもちょっと慣れません…w
世界には色んな人がいて、色んな暮らし方や生き方がある。
私なんかは「みんなと同じ」を好んでしまうけど、自分ではコントロールできない事に悩んでは卑屈になったり、人と比べて落ち込んだりと、自分を生きにくくさせているのは自分自身なのかも。と、本作を読んで思いました。
みんなと同じ二足歩行じゃなくてもいい。自分のペースでゆっくり進んでいけば良いのか、と気づけました(*・ω・)(・ω・*)
本を読んで感じ方は人によって違うので、これはあくまでも私個人の感想です。
「推し、燃ゆ」は私のようなアラサーでも楽しめる作品でした。
ページ数も144ページと薄いので読みやすいです。
気になった方はぜひぜひ、チェックしてみてくださいね!
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